代表幹事就任のご挨拶

2021年5月

内藤 滋(50期)

本年度の第二東京弁護士会倒産法研究会の代表幹事を務めさせていただくことになりました内藤滋です。当会は 1988年に発足して以来、今年度で33年の歴史を積み重ねてきました。その間、二弁内にとどまらず、東京三会や全国の各会の倒産弁護士、裁判所、倒産法学者の先生方との幅広い交流を行い、多大な信頼を得ております。このような伝統ある当会の代表幹事という大役を仰せつかり、身の引き締まる思いですが、全力で取り組んで参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、昨年からはじまった新型コロナウイルス感染症の拡大により、社会全体が大きなダメージを受け、現在もなお収束する見通しが立っていません。これまでのところ、緊急融資や各種助成金等の効果もあって目立った法的倒産手続きの増加は見られていませんが、飲食、旅行業を中心としたサービス業への悪影響は甚大であり、今後急激に倒産案件が増加することも十分考えられます。当会としても、このような厳しい社会情勢のなかにおいて、困窮する企業や個人に適切な支援、アドバイスをできるよう、会員相互の研鑽を重ねるとともに、次世代の人材を育成し、倒産業界全体をリードしていく社会的な使命があるものと考えております。

また、当会自身の活動においても、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、昨年度は、リアル会合は殆ど実施することができませんでした。もっとも、前代表鈴木学先生の強力なリーダーシップのもとで、会員の情報交換については、サークルスクエアを導入することにより飛躍的に「見える化」が促進され、また、ZOOMの活用により、月例会等を昨年秋以降再開することができ、おかげさまで各会合の参加者はむしろリアル会合のみであった以前よりも多数にのぼっており、会員の皆さんの期待の高さを感じております。

今年度も、当面の間はZOOMによる開催を中心にせざるを得ないとは思いますが、状況を見極めながら、安心安全を最優先としつつも、可能であれば、ハイブリッド型の会合をトライし、直に顔を合わせて懇親を深めることができればと祈念しております。

また、今年度からは60期以降の比較的若手の先生方にも従前以上に主要な業務を中心的にご担当頂き、他会や裁判所との窓口にもなって頂くことで、若手の先生方にとっても魅力を感じて頂ける会となるよう、工夫をして参りたいと思います。

1 具体的なスケジュール

 4月に開催した幹事会にて決定しました今年度のスケジュールは別添のスケジュール表のとおりですが、その概要は次のとおりです。

(1)月例会

  毎月原則として第3木曜日18時~20時に、業界の有識者を招いて、倒産・事業再生に関する最先端の動向等についてお話を頂くものであり、当会の最も基礎となる会合です。この5月20日には、東京弁護士会の大西雄太先生(60期)を招いて、「経営者保証ガイドラインの実務」の最先端の実務運用についてお話をして頂きます。

    その後の毎月のお題目については随時、お知らせして参りますが、12月は東京地裁民事第20部の部総括判事に、来年1月には東京地裁民事第8部の部総括判事をお招きし、最新の実務運用についてご講演頂きます。また、年に2回、東京地裁民事第20部において、裁判官と東京三会において「20部協議会」が開催され、破産や民事再生に関する論点の意見交換が行われておりますが、当会ではその結果を月例会にて会員の皆様に共有させて頂いております(今年11月と来年4月の月例会を予定しております)。

  なお、この月例会は、第二東京弁護士会の継続研修において2単位が認められます。

(2)継続研修

  7月から11月にかけて全4回で、当会の気鋭のメンバーに、破産管財業務の基礎的な事項について、申立てから配当にわたるまで全体を解説して頂きます。民事第20部の裁判官にもご出席いただき、研修の最後には実務上の留意点等についてお話を頂けることもあります。

  なお、この継続研修は、第二東京弁護士会の継続研修において2単位が認められます。

(3)定例研修

  2021年7月27日(火)午後6時から、松下淳一教授(東京大学大学院法学政治学研究科)をお招きし、「倒産法に関する重要判例と論点」と題してご講演を頂きます。

  具体的には、本年1月に、松下淳一教授が編集されました倒産法判例百選第6版が出版されたことを受け、同判例百選に掲載された判例・裁判例をいくつかご紹介いただきながら、倒産法のバックボーンとなりうる考え方についてご講演頂く予定です。

  なお、この継続研修は、第二東京弁護士会の継続研修において2単位が認められます。

(4)倒産実務研究会(杉本ゼミ)

  こちらは法政大学の杉本和士教授を師範、当会元代表幹事の髙井章光先生(47期)を師範代として、2ヶ月に1回をめどに不定期で開催される研究会です。毎回、当会が誇る気鋭のメンバーが担当して、ホットな論点について研究した結果を発表したうえで、杉本先生、髙井先生をはじめ参加者が意見交換をして、研鑽を積むことを目的としたものです。

  杉本先生の鋭く、深く、かつ明快でわかりやすいお話が評判をよび、当会の数ある会合のなかでも、最も評判のよい会の一つとなっております。

  具体的な開催日時は、師範代の髙井先生より、会員に対してメールでお知らせされる仕組みとなっています。

(5)四会シンポ

  毎年春に、東京三会と大阪弁護士会の倒産弁護士が一堂に会し、最先端のお題についてシンポジウムを開催するとともに、その後、懇親会において、東西の交流を図るもので、数百名が参加する全国規模のシンポジウムとして高く評価されています。

  来年4月1日に開催予定のシンポジウムは、当会が幹事を務めることとなっており、コロナ禍の課題とアフターコロナでの展望をお題とする予定となっています。

  このシンポジウムには、東京地方裁判所民事第20部の部総括判事や著名な倒産法学者もお招きして、実務・学問の両面から、最新の論点を議論することになっています。

(6)合宿

  当会は例年、一泊二日で合宿を行い、一日目は午後1時から5時までは、各メンバーから近時の論点について発表をしてもらったり、「ヒヤリ・ハット」の経験を披露してもらう等の勉強を行ったうえで、夜は一次会、二次会(カラオケ)、三次会・・・と大いに懇親を深めています。杉本和士教授にも例年ご参加頂き、大変有益なご指導を頂いております。また、二日目は、歴史ある「英章(エイショウ)杯」ゴルフコンペを行い、優勝者には大変立派なトロフィーが贈呈されます。他会のように、プロと見間違うような強者はいませんので、その分、誰にでも優勝のチャンスがあり、それほど経験のない方でも参加しやすいコンペとなっています。

  コロナが収束次第、速やかに実施できるよう準備は進めて参りたいと考えております。

2 担当幹事の紹介

 当会は副代表幹事27名、幹事7名が上記各会合を含め、種々の業務を担当しています。

 その中でも今年度における各業務を中心的に担って頂く担当幹事を次のとおりご紹介します。

(1)広報・HP・CS担当

  福岡真之介先生(50期)、森円香先生(55期)にご担当頂きます。

  福岡先生は我が国の国際倒産案件をリードする存在であると同時に、AIと法に関する第一人者でもあります。昨年度は鈴木学先生のもとで、当会におけるサークルスクエアの普及に多大な貢献を頂きました。今年度は当会ホームページの強化を含め当会の外部への発信等について推進頂きます。

  森先生は、当会の女子会の中心的なメンバーです。森先生には20部との懇親会での幹事も担当頂きます。

(2)四会シンポジウム

  権田修一先生(52期)にご担当頂きます。権田先生は法的倒産手続、私的整理手続双方に精通される、当会の50期台のエースです。

  四会シンポという、他会や裁判所、学会のとりまとめという大変な役回りをお願いすることになりました。

(3)会計担当

  金井暁先生(56期)にご担当頂きます。金井先生は、スカイマークをはじめ、数多くの法的倒産手続き、私的整理手続双方に精通するとともに、自身が代表を務める事務所を経営されています。これまで長きにわたり、当会の会計を担当頂いており、今年度も引き続き担当頂くとともに、20部懇親会の幹事も担当頂きます。

(4)渉外担当

  廣瀬正剛先生(60期)にご担当頂きます。渉外担当は、他会との連絡、交流、親睦(四会シンポの懇親会を含む)を促進して頂きます。

  廣瀬先生は当会の前事務局長であったこともあり、60期にして、非常に顔が広く、他会の先生方とも幅広く仕事や会務で交流しています。その人間力を存分に発揮して、他会と当会との架け橋になって頂ければと考えております。

(5)20部協議会担当

  野口隆一先生(57期)と吉田和雅先生(60期)にご担当頂きます。20部協議会は年2回開催される、東京地裁民事第20部と三会倒産法研究会・倒産法部会の担当者が一堂に会して、重要な論点について意見交換を行う会です。会の当日、参加して意見を述べるに留まらず、当会としても意見交換すべきテーマを出題したり、他会の出題について事前に検討会を実施して、当会としての見解をまとめたりする、重要なポストです。両先生は、豊富な経験はもちろん、温厚で粘り強い性格で、大変な調整を行って頂けるものと期待しています。

(6)事務局長

  俣野紘平先生(62期)にご担当頂きます。当会における事務局長は、当会運営に欠かせない最重要ポストの一つです。二弁との連絡・調整をはじめ、当会各業務全体に目を配り、滞りなく各業務が進行するよう、必要な対応をして頂く必要があり、多大な時間を割いて頂く必要があります。俣野先生にはすでに数年にわたり事務局長を担って頂いており、今年度も引き続きお願いするのは心苦しいのですが、余人をもって代えがたくご担当頂くことになりました。

 上記をはじめ、多くの副代表幹事、幹事に、業務をご担当、ご支援頂き、会の発展に努めて参りたいと存じます。会員の皆様におかれましては、是非、積極的にご参加頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。

以上

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